2021-12-02 一本の樹 寓話 あの世に生えている一本の樹、それがこの世だと思う。樹のてっぺんは 切り株の断面のような円状の平面になっている。そしてこんもりと葉が覆い繁れば できあがるであろう いわゆるまるい樹の姿、のように まるく、ドーム状に、 美しい蓋が 切り株の断面にかかっている。この世の人々は その切り株の上である 地上に暮らす。そこを覆うきれいな蓋を天と呼びながら。