きりとりせん

Let's write what we catched with kiritorisen.

一本の樹


 

あの世に生えている一本の樹、

それがこの世だと思う。

樹のてっぺんは
切り株の断面のような円状の平面になっている。

そしてこんもりと葉が覆い繁れば
できあがるであろう
いわゆるまるい樹の姿、のように
まるく、ドーム状に、
美しい蓋が
切り株の断面にかかっている。

この世の人々は
その切り株の上である
地上に暮らす。

そこを覆うきれいな蓋を天と呼びながら。