夜が行ってしまうとき
夜はときどきポンと
藪から棒みたいな気づきの玉を
置いて行ってくれる。
それはすぐに溶け始め
朝が来たとき行ってみても
もうそこにはない。
本当は毎日
なにかを置いてくれているのに
わたしがぐうぐう寝ていて
気づけてない
のかもしれない。
藪から棒というのは
本当にぽんと
前後関係なく
あ、あのときあの人が意図してたのは
こんなことだったんだ
とか
わたしはこうだと考えていたけど
実際にはこうだ
とか。
どれも、思ってもみなかった内容。
突然のそのピースで
パズルがぴったりと合う。
朝が来る前
未明のなかで
夜という人物がさっと去っていくのを
感じます。